ぼうこう炎の治療法

おしっこのチクチクになる女性が多いのは20代だけじゃない

セックスの後清潔にしなかったり、トイレを我慢することからおしっこのチクチクになりやすいと言われていますが、実は閉経後も要注意なのです。

 

女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると粘膜が弱くなる

女性ホルモン(エストロゲン)には膀胱や尿路の機能を正常に保つ作用があります。閉経後にはホルモンの分泌が少なくなり、おしっこのチクチクが発症しやすくなります。

エストロゲンは、子宮や膣、外陰部、膀胱から口、目にいたるまで、粘膜にうるおいを与えて守る働きがあります。粘膜にうるおいが無くなると、傷つきやすくなり、炎症を起こしやすくなります。

膀胱の機能自体も加齢のために低下しますが、それに加えて弱った粘膜は侵入した菌により炎症しやすくなります。尿検査で尿の中に菌がない場合は、膀胱内の粘膜が薄くなり炎症を起こしている可能性もあります。

対策としてはます、通常の急性おしっこのチクチクと同じように

  • 日頃から水分をこまめに取る
  • 排尿で細菌を洗い流す
  • 頻尿・排尿痛があれば受診する

などが挙げられます。

 

エストロゲン不足のおしっこのチクチクの治療は

閉経後のおしっこのチクチクにはホルモン剤の投与が行われることが多いです。傷つきやすくなった粘膜を守るためには仕方のないことかもしれません。おしっこのチクチク治療というよりは、更年期の治療に詳しい婦人科へ行くのがおすすめです。

エストロゲンは骨代謝にも深く関与しているため、閉経後には骨量も急激に低下し、骨粗鬆症のリスクが高ま李ます。

閉経後にかかるおしっこのチクチクが全てエストロゲン不足が原因とは限りません。
細菌性の慢性おしっこのチクチクの可能性もやはりあります。特に若い頃から繰り返しおしっこのチクチクになる方は、免疫力不足が原因の一つかもしれません。
原因のまだはっきりとしていない間質性おしっこのチクチクの可能性もあります。

エストロゲンは閉経後、少なくなってくるホルモンですが、サプリメントで過剰に摂取すると「乳房の張り」「下腹部の痛み」などの副作用が出る可能性もあります。

サプリメントを使う場合は、注意が必要です。できれば医師の診断のもと投薬量を決めた方が良いでしょう。

厚生労働省や学会などの公的機関から、「おしっこのチクチクの治療マニュアル」という形で公式に発行されているものは残念ながら2017年現在ありません。

2001年度に出版された日本感染症学会・日本化学療法学会編集の「抗菌薬使用の手引き」の中に「急性単純性おしっこのチクチク」の記述があります。

急性単純性おしっこのチクチクは腎臓や膀胱になにも疾患がなく発症するおしっこのチクチクで、おもに性的活動期の女性に多くみられます。 大腸菌が原因になることが多く、抗菌薬(抗生物質)が良く効きます。

う~・・痛い。

急性単純性おしっこのチクチクとは?

  • 20~40才の女性の25~35%が罹患
  • 感染症としては比較的軽症

 

症状の持続は

  • 平均6.1日、平均2.4日の日常活動の制限
  • 平均1.2日の就業制限
  • 平均0.4日の臥床

がみられるというデータもあり、社会的損失は決して少なくありません。

 

【おしっこのチクチクの症状】

  • 頻尿(尿の回数が増える)
  • 排尿痛(排尿時の痛み)
  • 尿の混濁
  • 残尿感
  • 膀胱付近の不快感

【尿の検査での診断】

  • 膿尿(尿の中の白血球)
  • 細菌尿(尿の中の細菌)

が見つかれば、急性おしっこのチクチクです。

 

より重い腎盂腎炎と区別は?

発熱や全身倦怠感などの重篤な症状がなく、血液中の白血球増多や血沈の亢進、CRPの上昇などの炎症所見がないことで腎盂腎炎と区別できます。 細菌尿は尿中の細菌が104CFU/ml以上、膿尿については尿中の白血球数10個/mm3以上が基準になっています。

 

薬剤の効果について

急性おしっこのチクチクの原因菌は、大腸菌が70~95%を占めます。 その他に、ブドウ球菌属、プロテウス、肺炎桿菌属、腸球菌属などの細菌が認められています。

10~15%の症例では一般検査で一般の細菌が証明されないこともあり、クラミジア、ウレアプラズマ、マイコプラズマなどの関与も考えられています。

急性おしっこのチクチクの原因となる大腸菌は、多くの抗菌剤が良く効きますが、ペニシリン系の薬剤に対する耐性菌が徐々に増加しています。

ニューキノロン系や新経口セフェム系の薬剤の耐性菌はほとんどありません。

 

きゃ~~なんじゃこりゃ~~
きゃ~~なんじゃこりゃ~~

おしっこのチクチクで血尿の症状が出るとき

ある日、トイレでびっくり!「おしっこが真っ赤」
おしっこのチクチクの症状の中でもショッキングな血尿。
血尿は「出血性おしっこのチクチク」といわれ、炎症をおこした膀胱の粘膜から出血している状態です。
ちくちくしたり、ズーンと痛いおしっこのチクチク進行中によくある症状です。

血尿。実際自分が体験してみるとすごく恐ろしいんだけど、おしっこのチクチクになると案外、血尿がでることは多いのです。
膀胱内の粘膜はとても柔らかく、尿道から膀胱内に入り込んだウイルスが増殖すると、弱い粘膜がすぐにただれてしまいまい、出血しやすくなるのです。だからといって血尿が「気にしなくてもいい」わけじゃないです。

おしっこのチクチクによる血尿は、おしっこのチクチクが悪化しているサインの可能性もあります。
膀胱からの出血による血尿でなく、「腎盂腎炎」の可能性もあります。どちらにしても、血尿が出た場合は医者に行く必要があります。

おしっこが真っ赤になるほどのものから、顕微鏡で見なければわからない状態のものもあります。
大人なら急性おしっこのチクチクの症状のひとつですが、実は子供にも多いのが「出血性おしっこのチクチク」なのです。

おしっこのチクチク、また?
おしっこのチクチク、また?

 

出血性おしっこのチクチクの原因は「ウイルス」

おしっこ時にチクチクと刺すような痛みがあり、真っ赤な血尿がでることがあります。
ウイルスが原因の場合は特効薬はありません。
からだの免疫力を高め、自然治癒することが唯一の治療法です。

 

ウイルスが原因でない場合も

特殊な例ですが、抗がん薬や免疫抑制薬、抗アレルギー薬などの医薬品が原因の出血性おしっこのチクチクもあります。抗生物質や漢方薬が原因となる場合もあるようです。
がん治療などでうける放射線治療の後遺症として出血性おしっこのチクチクになる場合もあります。

 

急性おしっこのチクチクかもしれない?

尿に血が混じってる、もしくはおしっこの時に痛い、残尿感がある・・・。そんなときは出血性の急性おしっこのチクチクの可能性があります。
おしっこのチクチクは体の構造上女性に多い病気です。そして、なんとなく「自然治癒するかも」と放っておいてしまい、悪化する病気でもあります。

  • おしっこの時にチクチク痛い
  • ずーんと膀胱あたりが重い
  • 残尿感があり一日に何度もトイレに行きたくなる
  • 尿に血がまじっている
  • すぐにもれそうな感覚になる

 

こんな症状があると、急性おしっこのチクチクに可能性が大きいです。

 

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【濁り】おしっこのチクチク時のおしっこの変化

おしっこのチクチクになると「血尿」だけでなく、おしっこの様子が普段とは異なってきます。
尿が白く濁るというのも代表的なおしっこのチクチクの症状です。

  1. 膀胱に入った細菌と戦った免疫細胞(白血球)の死骸
  2. 炎症をおこしてただれ、剥がれ落ちてしまった膀胱の粘膜
  3. 炎症部分から分泌した液

これらのものが尿に混じることで、いつもは黄色い透明なおしっこが白く濁ってしまいます。
濁りはおしっこのチクチクの症状としてひんぱんにみられるものです。

急性おしっこのチクチクの場合、痛みがないことはあまりないのですが、知らないうちに悪化することもあるので、病院での尿検査は必須です。

う~・・検査やだなあ
う~・・検査やだなあ

 

【頻尿】おしっこのチクチク時のおしっこの回数

おしっこのチクチクでは、トイレに何度も行きたくなる、いわゆる頻尿という症状もあります。そして排尿量はごくわずかというのが典型的な症状です。これは9割の患者にみられる症状です。

この症状は、膀胱内の粘膜の炎症によって、神経が過敏になって起こるものです。治療によって炎症が治まれば、症状も消えます。